マルチ世代の情報発信

前回の記事でも触れたように、ケータイ、PC両方を使うマルチ世代の台頭が目立つようになってきた。自分には彼らが無意識にインターネットを利用するデバイスを使い分けているようにみえる。ケータイ向けサービスに絞って考えていく。


最近はケータイからできることがどんどん増えている。最近ではブログはもちろん、写真加工やデコメール作成もケータイから行うことができる。オンライン対戦ゲームやチャットもケータイでできるし、それでもPCからケータイ向けサービスを利用するユーザーは数多くいて、そこには接続速度や端末のスペック以外の理由があるように感じる。ケータイだけで完結するサービスももちろんあるが、ケータイ・PC双方を利用するサービスが今後増えていくのは間違いないはず。でも具体的にどういった使い分けがされていくのだろう。


まず、ブログ閲覧などの情報受信を行うデバイスは、外出中は間違いなくケータイからの利用がどんどん増える。PCがある環境では、好みの問題だと思う。情報の種類によってはPCではなくケータイを利用するユーザーも必ずいる。


次に情報発信。マルチ世代が発信している情報で一番多いのはブログや日記、プロフなど(プロフに関してはCNETの記事を参照)。これらは主にケータイから行われている。メールを一日に何十通もやり取りするマルチ世代からしたら、ケータイからの端末は一切苦にならない。特にTwitterはてなハイクみたいな一言系は常に身近にあるケータイの方が適している。ブログの記事が長文になる場合、ハイブリッド世代なら絶対にPCを利用すると思うが、マルチ世代の中にはケータイを利用する人もかなりいるはず。テキスト情報発信については完全に好みの問題じゃないかと感じる。


一方、画像加工やホームページ作成などの作業には使い分けが明確に発生するはず。PCを利用できるマルチ世代はこの種の情報発信に積極的で、無料ソフトやサービスを色々と使いこなしている。彼らは簡単な作業だったらケータイから、詳細に及ぶ設定はPCから作業しているようにみえる。


画像加工を例にとってみると、写真にフレームをつけたり文字を入れたりするのは数回ボタンを押すだけなので、ケータイからやった方が早い。一方、明度調整などの詳細なことをする場合は、ケータイからだと画面が小さい分やりづらい。画面の大きいPCで、Fotoflexerのようなインターフェースで作成する方が簡単だし時間もかからない。デュアルディスプレイにすると作業効率が上がる、と聞いたことがあるけれど、同じ原理なのでは。もちろん「簡単な作業」の定義がiphoneのようなタッチパネル、高速インターネット、優れたインターフェースの3拍子によって変化していくのは間違いないけれども。


簡単にまとめると、マルチ世代は自分のニーズに合わせてケータイとPCを使い分けていて、ケータイから簡単に情報発信し、PCから詳細な設定や加工を施すというスタイルが彼らを中心に浸透していくのではと思う。両方のデバイスの長所をうまく利用すれば、きっとサービスの幅と深さが増すはず。


※「マルチ世代」という表現はTech Mom From Silicon Valleyの海部さんから拝借。